べんべんリレーBLOG
第107回 本のバーコードにまつわるエトセトラ
出版委員会第5部会委員 大砂幸一朗
皆さんがお持ちの書籍のほとんどには2段のバーコードが付されています。
皆さんの中には,スーパーやコンビニで購入する商品と違って,どうして本には2つもバーコードがついているのだろう?と疑問をもったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
1.書籍JANコード
商品に付されているバーコードはJANコード(Japanese Article Number)といい,基本的には国コード,メーカーコード,商品コード,チェックコードの合計13桁あるいは8桁の数字で構成されています。日本の国コードは「45」と「49」なので,目にするバーコードのほとんどが45か49からスタートしています。
書籍については,毎年多数発行されている本を管理するため,通常のJANコードとは違い書籍JANコードが利用されています。この書籍JANコードが本に付されている2段のバーコードで,「日本図書コード」の情報をバーコードで表示したものです。
2.日本図書コード
「日本図書コード」とは,①国際標準図書コード(ISBNコード)に,②日本独自の国内基準である図書分類記号と価格コードを付加したものです。
①のISBNコード(International Standard Book Number)は,978から始まり,言語圏を表すコード(日本は「4」),出版者コード,書名コード,1桁のチェックコードで構成されています。
出版物それぞれに固有の番号が付与されており,この番号をもとに世界中の人が,どこの国で,どの出版者が,何という本を出版したのかを特定することができます。特定のためのコードなので,同じコードは存在しません。それぞれのコードが唯一無二なのです。絶版となった後も永久欠番となります。
ISBNコードによって出版者や流通関係者,図書館などは正確に,迅速に,書籍の情報を把握することができるようになっています(雑誌や新聞などは定期刊行物コードやISSNコードなど別のコードが付されることになっているため,ISBNコードは付されないようです)。
②は,192から始まり,4桁のCコード(日本図書コードの分類コード),5桁の定価コード,1桁のチェックコードで構成されています。
Cコードは書店や図書館などで陳列の際に参考にされているようです。
なお,定価コードは5桁までなので,10万円を超える本はすべて「00000」となるようです(定価10万円超えの本なんて見たことありませんが…)。
3.具体例
書籍には,例えば日本図書コードが
「ISBN978-4-902858-21-1」「C2032 ¥2500E」
などと小さく表示されていますが,「ISBN978-4-902858-21-1」が上記2の①,「C2032 ¥2500E」が上記2の②に該当します。
そして,日本図書コードの右側に2段に表示されているバーコードが,今回のテーマである書籍JANコード,というわけです。
以上,すこし細かい話でしたが,どうして書籍には2つもバーコードがついているの?という疑問が解消されていれば幸いです。
協同組合では様々な本を発行しています。
是非一度手に取って,中身はもちろん,ISBNコードやCコードも見てみてください。
ちなみに上記「ISBN978-4-902858-21-1」「C2032 ¥2500E」は協同組合発行の「改正相続法の解説」のISBNコード,Cコードでした。