べんべんリレーBLOG
第118回 現存天守のすすめ
出版委員会第2部会部会長 藤岡亮
私は、母の実家が島根県松江市ということから、子供のころは毎年夏休みに松江に遊びに行き、毎年、松江城を見学していました。そして、松江城が大好きでした。現在の松江城は、1611年ころに落成したものを、1950年から1955年に解体修理したものです。
私は松江城だけでなく他の城も見たいとは思っていましたが、子供時代にそれが実現する機会はなく、その思いは徐々に薄れていきました。それは、江戸時代以前に築城された天守が現在も残っている「現存天守」は、ほとんどないということを知ったことも理由の一つです。私は、現存天守以外の城を見に行っても面白くないと思い、現存天守がどこにあるかなどもあまり調べることもなく城に対する興味を失っていました。
しかし、2009年に姫路城の大修理の話を聞き、ふつふつと城に対する興味が戻ってきて、この度、初めて姫路城に行ってきました。
姫路城に行き、まずはそのスケールに圧倒されました。天守閣以外にも多くの建物が当時の姿のまま残っており、まさに当時の姿といえるものだったのです。知識のある方からすると、あまりに当然のことかもしれませんが、事前に情報収集もせずに訪れた私としては、驚きしかありませんでした。
特に百間廊下に驚かされました。これは西の丸の外周をめぐる櫓群とそれをつなぐ廊下です。天守閣と比べると地味ではありますが、防御のための重要な施設であり、軍事施設としての城を強く思い起こさせるものでした。
姫路城を一通り見学し、美しいだけでなく、軍事施設としての城を実感し、築城された時代に思いを馳せることができました。
現在の現存天守は、以下の12か所です。
弘前城(青森県弘前市)、松本城(長野県松本市)、丸岡城(福井県坂井市)、犬山城(愛知県犬山市)、彦根城(滋賀県彦根市)、姫路城(兵庫県姫路市)、備中松山城(岡山県高梁市)、松江城(島根県松江市)、丸亀城(香川県丸亀市)、松山城(愛媛県松山市)、高知城(高知県高知市)、宇和島城(愛媛県宇和島市)
機会があれば、これらの現存天守もまわってみたいと考えています。
皆様も機会があれば、是非、現存天守をまわってみてください。
ちなみに姫路城に感動しつつも、私の中では松江城がナンバーワンです。