べんべんリレーBLOG
第130回 アレ尽くしの1年
特約店委員会委員 石原明洋
阪神ファンの中で「アレ」を知らない人はいないでしょう。昨年就任した阪神タイガースの岡田監督が「優勝」という意味で使い続けている言葉です。野球ファンの私にとって、今年は例年にないほど「アレ」を楽しめています。
まず、今年3月に開催された野球のワールドカップ「WBC」です。メジャーリーグの舞台でも二刀流で活躍する大谷翔平を擁する日本代表が、見事世界一の「アレ」に輝きました。決勝戦で対戦したアメリカ代表は、プロ野球選手も憧れるようなスター選手ぞろいでしたが、大谷選手が試合前に「トップになるためには、今日一日だけは憧れを捨てて、勝つことだけ考えましょう!」とメンバーにかけた言葉には、シビれました。弁護士業務においても、憧れの先輩弁護士が相手方になったときには、受け身の対応にならないように、この言葉を思い出すと良いかもしれません。
次に、夏の甲子園の「アレ」です。今年は、神奈川県代表の慶應義塾高校が全国制覇を果たしました。高校野球といえば、丸刈り、厳しい上下関係、過酷な練習といったイメージがありますが、同校は「野球を楽しむ」ことを第一に考え、髪型や上下関係の縛りを撤廃し、選手たちが練習メニューを立案しているようで、従来の高校野球にはない自主性を感じました。私も20年前は甲子園を目指す高校球児でしたが、当時は、厳しい練習に耐えて苦難を乗り越えることが美徳とされていたように思います。しかし、自由さを尊重する慶應義塾高校が甲子園に優勝したことで、選手が野球を楽しむことの大切さが見直されたように思います。これからも進化していく高校野球から目が離せません。
続いてプロ野球では、阪神タイガースが、ついに18年ぶりの「アレ」を手にしました。阪神は言わずと知れた関西の人気球団ですが、これまでリーグ優勝回数は6チーム中5位、日本一も1985年の1度だけという意外と控えめな成績でした。2008年には、リーグ序盤から首位を独走して優勝を期待されていたにもかかわらず、終盤に大失速してリーグ優勝を逃すという悲しい経験もありました。そこで、選手たちが「優勝」を意識し過ぎてプレッシャーに感じないために、あえて「優勝」を「アレ」に言い換えたようです。悲願のリーグ優勝を達成した今、「優勝」という言葉が解禁になったようですが、まだクライマックスシリーズ、日本シリーズが残っています。これからも「アレ」の精神を忘れずに、球団2回目となる日本一を果たして欲しいです。
そして、弁護士会野球の「アレ」にも注目です。弁護士会には、各地域で野球チームが結成されていて、毎年全国大会が開催されています。大会には、元一流プロ野球選手(一昨年は松中信彦氏、昨年は槙原寛己氏)がゲストで参加し、試合の講評をしてくれるという豪華なイベントが用意されています。私の所属する大阪チームは、現在全国大会2連覇中で、今年3連覇を目指しております。私は所用により参加できておらず、観る専門になっておりますが、陰ながら大阪チームの3年連続の「アレ」を祈願しております!