べんべんリレーBLOG
第138回 皆さん、mints使っていますか?
厚生委員会委員長 武田裕平
私は、大阪弁護士協同組合の厚生委員会に所属するほか、同組合のe-裁判PTにも所属しています。
e-裁判PTの構成人数は、10名程度なのですが、協同組合の組合員に対してe-裁判への対応をサポートすべく、どのような研修企画や特約店による支援等を行えばよいか、月1回程度議論をしています。
PT所属の構成員たる私が、e-裁判の最たるもの、mints(ミンツ、民事裁判書類提出システム)を使いこなせないわけにはいかないと思い、まずは最高裁判所が作成する動画を見ながら勉強をしました。ワード文書の準備書面をPDF形式にして提出、書証ごとにPDFで提出など、「mintsの掟」があります。
大阪地裁で本格運用された令和5年1月以降、裁判所には「mintsを使いたい!」という上申書を出してみたことがありました。大阪地裁も(当然かも知れませんが)拒否することなく、mintsを利用させてくれました。
しかし、「mintsを使いたい!」という上申書を出さないと、裁判所からmintsの話は出てきません。私が提出する訴状表紙には、mintsのIDを載せている(このことは、「mintsにしてもいいよ」という意思表示のつもりです。)のですが、それでも、裁判所から「mintsにしましょう」という話は全くありません。
他方で、初回期日からTeamsでのウェブ会議で行うことは日常的になりました。最近はむしろ、「当部はペーパーレス審理を推奨しています。書面のアップロードはTeams上で行ってください。」といった案内すらあります。
私は、
「え、mints、どこへ行ったの?」
というふうになるわけです。
何を隠そう、このmints、賞味期限があるそうです。今後、mintsから新しいシステムであるTreeeS(ツリーズ。なお、「e」を3つ重ねるのが正しいようです。)に変わるらしいのです。
そして私は、
「え、mints、あなたは何のために生まれたの?」
というふうになるわけです。
裁判所も賞味期限が間近いmintsを利用する気になれない、むしろ、それならウェブ会議でも使うTeamsを使った方が便利、という思いがあるのかも知れません。
私は、既にmintsを利用する手続を経験しましたし、mintsの使い勝手の悪さを原因とする不便さも感じました。裁判所もmintsを使いたがらないわけですから、その点では、現時点ではTeams、将来的には、TreeeSを使いこなせるようになるのが良いのだろうと思います。
ここ最近の、裁判所のペーパーレス審理、全部データで確認もしやすくなる一方、紙で見たほうが頭に入りやすい、というのが現状の私の感想です。裁判所においては「証拠の見落とし」等がなければいいのですが……。
また、裁判所は見やすくなって仕事が減ったのかもしれませんが、弁護士側の作業(書証のPDF化等)は増えたような気もします。
裁判所の方、このブログ、ご覧になっていますか~~?あくまで、一弁護士の見解に過ぎませんので、よろしくお願いいたします。「声なき声」があるかもしれません!