べんべんリレーBLOG
第143回 信仰の道で心洗われてみませんか? ~180の道しるべをたどって~
出版委員会第3部会部会長 竹田大介
皆さんは、『高野山町石道』をご存知でしょうか?和歌山県九度山町にある慈尊院から高野山の檀上伽藍へ通じる高野山の表参道です。高野山への道しるべとして、1町(約109m)おきに「町石」と呼ばれる石柱が壇上伽藍を起点として慈尊院までの約22kmに180基も建っています。今回は、『高野山町石道』の素晴らしさを紹介させて頂きます。なお、詳しい案内図は、南海電鉄のHPに掲載されていますのでご確認下さい。
スタート地点は、慈尊院。弘法大師の母がわが子を慕って住み、その没後女人霊場として有名になった所です。おっぱい絵馬、案内犬ゴンなど見所いっぱいで、境内に180番の町石が建っています。体力一杯のうちに観光を楽しんで下さい。
慈尊院を抜けてから和歌山県らしい柿畑を1.5km進むと展望台(町石165番)。序盤の休憩スポットです。晴れの日には、眼下に 紀の川が広がる景色を堪能できます。
展望台を過ぎると、アップダウンを繰り返す山の中を約12km進み矢立茶屋(町石60番)を目指します。道中、町石の番号が徐々に減る度に煩悩が洗われるような気分になります。「六本杉」、「二つ鳥居」など見所は多いですが、個人的には紀伊高原ゴルフ場の側を通る所(町石114番~91番あたり)がオススメです。必死で信仰の道を歩いている時に「ファー」という声が時々聞こえ、良い意味で俗世間を思い出します。
矢立茶屋に着くころにはかなりの体力を消耗。そんな時に甘い「名物やきもち」を頂きながらの水分補給が最高です。矢立茶屋を過ぎての残り3分の1はしんどいですが、静かな山の中で人生を振り返りながら歩きましょう。途中は数えるのも嫌になる町石ですが、1桁が近づくとテンションが上がります。最後に強烈な登りが待っていますが、そこを踏ん張ると朱色の高野山大門(町石7番)が大迫力で眼前に。感動します。ただ「ここで達成感に浸るな!!」と大門両脇の金剛力士像に叱られながら食事処や土産物屋を横目に約1km先のゴール(檀上伽藍:町石1番)を目指しましょう。
ここまで読まれた方はきっと「行ってみたい」と思っておられるはず・・。皆様挑戦してみて下さい(ちなみに私は、数年前のことですが、約4時間50分で完歩しました)。