べんべんリレーBLOG
第147回 ガラスペン沼とイベント
企画委員会副委員長 小林恵
趣味で特定分野にどっぷり嵌ることを「○○沼」と言ったりしますが、私も最近は「文具沼」、その中でも特に「ガラスペン沼」にすっかり嵌っております。元々日本発祥の筆記具であるガラスペンは、様々な色や形のガラスでできた軸の美しさや、ペン先を軽く洗うだけでインクの色を簡単に変えられる手軽さなどから大変人気が高く、特に人気作家の作品は入手困難で、ガラスペン沼の住人達の間で日々激しい争奪戦が繰り広げられています。
そんな人気作家さんのお一人が主宰されている工房に、Glass Studio TooSさんがあり、先日そのイベントに参加してきました。TooSさんの工房は岡山県の湯郷温泉にあり、交通の便が良いとは決して言えない場所ですし、営業日も週末のみで事前予約が必須です。しかも工房に行って注文してもガラスペンが手元に届くのは作家さんの多忙さゆえ約半年後というハードルの高さなのですが、独特の美しさのペン(写真参照)を求めて文字通り全国から沼の住人達が訪れるのです。今回のイベントは、このレアな営業日が「バラと湯郷」という地域イベントに組み込まれて行われていました。
イベントは、素敵なバラ専門店を中心に地域のお店が協力して行われ、参加店舗にはさまざまなバラが飾られて、訪れた人はカフェで食事をしながらバラを眺めたり、バラを購入してからTooSさんでガラスペンをオーダーしたり、のんびりした時間を楽しめるようになっていました。とても心地よい緩やかなイベントなのですが、もちろんTooSさんという集客力のあるキラーコンテンツが最大限活かされるような工夫も随所に見られました。例えば、コロナ以降中止されていた「吹きガラス体験」がこのイベント限定で復活、作家さんご本人に指導していただけるうえに、バラを購入すればペンのオーダーもできるという沼住人垂涎の企画があり、私を含めてそれに惹かれて参加した人は多かったと思います。工房では、作りたい形や色を選び、ガラスを吹いて転がして、半分以上作家さんに助けていただきながらも何とか思った形に仕上げる工程を楽しみ、その後ガラスペンをオーダー、後日配送される完成品を楽しみにしながらバラの花や苗を持って大満足で帰宅いたしました。
このイベントを体験して、何かキラーコンテンツがあれば自然に人は集まるし、周辺を巻き込んで面白いことができるという当たり前のことを改めて強く感じました。我々企画委員会も、おかげさまでご好評の婚活イベントを毎年開催させていただいていますが、これからは企画内容を掘り下げる工夫をするだけではなく、例えば周辺の魅力的な施設を活用したり、他の委員会と合同で企画を考える等、様々なコンテンツを付加することによって組合員の皆様にさらに喜んでいただけるような人気企画に育てることができるのではないかと、増えゆくガラスペンやインクを眺めつつ、いろいろ考えるきっかけとなった楽しい休日となりました。