べんべんリレーBLOG
第149回 押し寄せるインバウンドの波
保険委員会損保第三分野部会部会長 松岡潤
今年の1月の連休に友人家族に誘われて20数年ぶりに信州の栂池高原に家族でスキー旅行に行くことになりました。高校生や大学生のころに栂池高原に友人たちとスキー旅行に行き、非常に楽しかった思い出がありました。今回のスキー旅行の行先が栂池高原と聞いて、懐かしさがこみ上げ、期待で胸が高鳴ったのでした。
3連休ということもあり、空きのある宿は旅行サイトで一つしか残っておりませんでしたので、その宿にお世話になることにしました。
さて、1月の3連休に車で栂池に向かいました。昼過ぎに宿に到着したのですが、中国人がオーナーのようであり、日本語が全く通じないことにまずは驚きました。英語は辛うじて通じたので宿のスタッフとは英語でコミュニケーションを取ることになりました。さらに、宿泊客の中で日本人は私達家族だけであり、他は欧米人や中国人、韓国人といった外国人だけということに衝撃を受けました。
夕食はついていなかったので、外食をするために宿の外のレストランを探索しました。ラーメン屋さんが近所にあったのでそこで食べることにしました。ラーメン屋さんといっても宿の1階を間借りするような形で営業していました。メニューにあったお酒を注文しようとすると、お酒はホテルのロビー併設のバーで注文して持ちこむ方式だと言われました。
バーに行くとスタッフは全てオーストラリア人で日本語一切不可でした。また、その宿のロビーには多くの宿泊客がビリヤードやお酒に興じていたのですが、見事なまでに例外なく全員欧米人でした。そこはもはや私が知っている栂池ではありませんでした。
翌日からスキーをしたのですが、ゲレンデも外国人で溢れかえっていました。ニセコのニュースはよく耳にしていましたが、あの栂池までこのような状況になっていることに衝撃を受けました。
スキー自体は、雪質もよく天候にも恵まれたので大いに楽しむことができました。
最終日の晩に友人家族が泊まっていた民宿のオーナー(この方は日本人)と酒を飲んでいろいろな話を聞かせてもらいました。昨今は、欧米系の旅行代理店が宿を手あたり次第ブッキングしていくので、日本人のお客さんはなかなか予約が取りにくい状況になっているそうです。私が泊っていた宿も元は日本人オーナーが運営していて日本人の常連客も付いているいい宿だったそうです。数年前に手放すことになり、中国人がかなりの高値を提示して買い取ったそうです。これまで付いていた日本人常連客が離れてしまったものの、外国人客が引っ切りなしに押し寄せてくるので何も問題ないそうです。
インバウンドのパワーをまざまざと感じさせられ、何だかとても複雑な気分になりました。これはまだまだ序の口で、今後ますますインバウンドの波が押し寄せてくるような気がします。少子高齢化、低成長、円安の日本が辿る末路を見た気がします。