べんべんリレーBLOG
第161回 ファミリーヒストリー
保険委員会生保部会部会長 秋山哲郎
年末年始、久しぶりに北海道小樽市の実家へ一人で帰省しました。八十四歳になる母親と、二人きりで過ごす静かな正月。例年であれば、テレビを見ながらのんびり過ごし、雪かきをして、あとは何となく時間が流れていく――そんな年末年始を想像していました。
ところが、実家に帰るなり、母親は古いアルバムや昔の資料、さらには簡単な家系図まで用意して待っていました。「こういう機会もなかなかないからね」と言いながら、突然始まったのが母親による「ファミリーヒストリー」の講義です。
両親の若い頃の話(なれそめ!?)はもちろん、祖父母、さらにその前の世代の先人たちが、どんな人で、どんな仕事をし、どのような人生を送ってきたのか。正直なところ、最初は「まあ、しょうがないなあつきあうか」という気持ちで聞いていました。しかし話が進むにつれ、これまで一度も聞いたことのないエピソードが次々と出てきます。時代背景とともに語られる先人たちの選択や苦労は、想像以上に生々しく、次第に強く引き込まれていきました(ちなみに私は「屯田兵」の4代目です)。
中でも驚いたのは、母親が中学生の頃に書いたという文章を見せられたときです。そこには、将来の進路として「弁護士にも興味がある」といった趣旨の記載がありました。母親からそんな話を聞いたことはありませんし、まさか、何十年も前に、こんな形で自分の仕事とつながる記述が残っているとは思いもよらず、不思議な縁を感じずにはいられませんでした。
仕事をしていると、どうしてもエゴやプライドが前に出てしまい、物事を素直に受け取れなくなることがあります。成果や評価、立場に気を取られ、当たり前のことへの感謝を忘れてしまうことも少なくありません。しかし、母親の話を聞きながら、先人たちが積み重ねてきた時間の上に、今の自分が立っているのだと強く実感しました。その瞬間、理由もなく、ただ「ありがたい」と思えるシンプルな感謝の気持ちが自然と湧いてきました。
古いアルバムの中には、自分が幼い頃(50年前?)の写真もありました。見比べてみると、表情や顔つきは今と基本的に変わっていません(やさしくて賢そう!)。少し照れくさくもありましたが、同時に、あの頃から続く時間の流れを強く意識させられました。
先人に思いをはせ、家族の歴史を知り、自分の幼少期を振り返る。普段の生活ではなかなか味わえない、新鮮な感情が次々と湧いてきました。予定外に始まった母親の講義でしたが、終わってみれば、心がすがすがしくなる、とても良い年末年始の時間となりました。
実家に帰った際に「ファミリーヒストリー」の受講。皆さんにもおすすめです。









