べんべんリレーBLOG
第21回 土鍋でご飯を炊く
総務委員会委員 有吉雅子
今年の秋は短いようです。私がこの原稿を書いている時点では、まだ御堂筋の銀杏も黄色に染まる例年の光景にはほど遠く、紅葉も今ひとつ出遅れている感が否めません。かといって、朝晩の気温は急激に下がり、このまま秋を楽しむ間もなく冬に突入するのかと思うと寂しいような気もします。
さて、秋といえば食欲の秋です。好きな食べ物はと問われたとき、私にとって外せないのは、「ご飯」です。おもしろみも何もない、ただの「白いご飯」です。
しかし、今の今まで「炊飯器」にこだわったことはありませんでした。今まで使っていたのは、特筆すべき機能を備えているわけでもない、何の取り柄もない、ただ「炊ける」だけの炊飯器です。その、ただ「炊ける」だけの炊飯器の調子が悪くなり、買い換えを考えるようになりました。最近はいろいろと機能を備えたお高い炊飯器も登場していますが、なかなか手が出なかったところに、「土鍋」でご飯を炊く、という記事を見かけたのです。しかも、意外に簡単に、時間がかからずにおいしく炊けるというではありませんか。これはひとつ試してみる価値があるかもしれないと思い、火加減不要の簡単そうな「炊飯用土鍋」をひとつ購入してみました。
まずは目止めをし、下準備を終えてようやく炊飯です。説明書を見ながら、中火で待つこと17分、説明書通りであれば勢いよく湯気が出ているはずなのですが・・・全く出ていません・・・蓋を開けてみたいところですが、「赤子泣いても蓋とるな」と言いますし、火加減が弱かったかと少し火力を強くしてみたり、と右往左往しているうちに、ようやく湯気が勢いよく出始めました。しばらくして火を消し、蓋をしたまま待つこと20分、おそるおそる蓋を開けてみると、ご飯の粒がくっきりと際立ちつやつやのおいしそうな白いご飯が炊けていました。いい香りです。最後の火加減のせいで、思いのほかおこげの多いご飯になっていましたが、ご飯の甘さと香ばしさ、もちもちした食感といい、味も今まで炊飯器で炊いていたのとは全然違います。こんなことなら、もう少し早く試してみればよかった、とご飯のすすむ今日この頃です。
あたりまえに使っていたもの、あたりまえにやっていたことを見直す、というのもたまにはいいものです。