べんべんリレーBLOG
第40回 七坂めぐり
財務委員会委員長 浅野永希
大坂の町歩き「天王寺七坂めぐり」を紹介したいと思います。七坂は谷町九丁目から夕陽丘にかけて古くからある坂道で、逢坂を除いて石畳や石段の情緒ある坂です。「てんのうじ観光ボランティアガイド協会」が作成している「天王寺七坂ご利益いっぱい歴史も満載スタンプラリー」の台紙(スタンプを置いてある社寺で販売しています。値段は100円です。)を購入し、坂を一つ巡るごとにこれにスタンプを押していき、すべてのスタンプを集めると「完歩証」を貰えます。見所をざっと紹介しますと・・・
①「真言坂」生玉神社の北門へ続く短い坂です。明治の廃仏毀釈までは生玉神社の神宮寺(真言宗)が並んでいました。
②「源聖寺坂」坂の下に源聖寺があります。このお寺には布の花に願い事を書いて結びつける可愛らしい「花の観音様」が居られます。坂の上にある銀山寺は秀吉が名付けた寺で、秀吉の守り本尊だった雨宝童子立像も安置されている所縁の寺です。付近には新撰組の旅宿であった萬福寺もあります。
③「口縄坂」坂の様子が蛇に見えるから(?)この名が付けられたそうです。大阪が舞台の文学にも登場する坂で、坂の上には織田作之助の文学碑がありました。口縄坂と次の愛染坂の間には陸奥宗光の墓所跡があります。近くに平安末期の歌人藤原家隆が隠棲したという家隆塚があり、陸奥宗光の父伊達宗宏が家隆を敬愛しその側に一族の墓所を定めたそうです。現在は鎌倉に改葬されていますが陸奥宗光ゆかりの清地蔵や原敬が建てた陸奥宗光追慕碑が残されていました。また、大河ドラマ「篤姫」で有名になった薩摩藩家老小松帯刀の墓もあったそうです(こちらも今は鹿児島に改葬されています)。
④「愛染坂」愛染堂勝鬘院の門前にあります。愛染さんは縁結びの神様で境内の多宝塔は大阪市内最古の建造物です。すぐ隣の大江神社は阪神タイガース守護の神社で、狛犬ならぬ「狛虎」があります。ここには、夕日岡の碑もあって綺麗な夕日を見ることができます。
⑤「清水坂」坂の上に清水寺があり、京都ご本家の音羽の滝に似た玉出の滝もあります。清水の舞台(?)もありここから大阪のシンボル通天閣が見えます。この辺りに江戸時代「浮瀬亭」という有名な料亭があったそうです。
⑥「天神坂」安居神社(天神)の裏手に続く坂です。小さな神社ですが大坂夏の陣で真田幸村が戦死した場所なので戦国ファンがたくさん訪れます。境内には幸村の像もあり、幸村グッズ(お守りや絵馬など)も販売されています。
⑦「逢坂」現在は国道25号線になってしまって残念ながら趣は残っていません。近くの一心寺には戦国武将本多忠朝の墓所があり、ここでは「酒封じの神」として禁酒を誓う人の信仰を集めています。
以上、ざっと紹介しましたが、秀吉、真田幸村にタイガース、大阪の有名人ゆかりの社寺があり、縁結び・勝運・禁酒までご利益満載です(笑)。いろいろ楽しめる七坂めぐり、是非一度歩いてみられては。