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第46回 Google Earthストリートビューの活用
出版委員会第2部会委員 高橋英伸
Google Earthのストリートビュー機能をご存じでしょうか。この機能を使えば簡単に現地確認ができてしまいます。使い方は非常に簡単で、まずGoogleで調べたい住所を検索し、付近のマップを表示させます。そして、地図の右下にある人型をドラッグして、現地の写真を表示させたい地点に投下します。そうすると、その地に自分の足で立ったのと同じ視点で360度パノラマの写真を見ることができます。
私はこの機能を日々の業務で多用しています。例えば、破産(管財)事件、建物明渡請求事件などで現地不動産の状況を確認できます。もちろん事案によってはきちんと現地を訪れる必要はありますが、ストリートビューでざっくりと対象物件の形状、状態や周囲の様子などを見るだけで初期の方針立案などが容易になります。特に交通事故事案でストリートビューは活用できます。というのもストリートビューは車載カメラで撮影した画像が使われているため、視点は道路上からのものになります。そうすると車道上の事故事案の現場確認は、実際に現地に足を運んで歩道上より現場を観察するより、ストリートビューで現場を見た方がより正確に状況を把握できる場合もありえるわけです(現地確認の困難な高速道路のほか、かなり田舎の場所でも見られる場合があります。)。画像の撮影日は1年以上前と思われる古いものから直近のものまでばらつきがありますが、事故発生後の工事により現況が変わっていた事案につきストリートビューで現地画像を見ると事故当時のものが見られて助かったことがありました(撮影日は画像最下部に表示されます。)。
ストリートビューの画像は容易にプリントアウトできます。方法を一つ紹介しますと、まず①プリントアウトしたい画面が写った状態で「Ctrl」と「PrintScreen」(または「PrtScn」)ボタンを押し画面全体を画像データとしてキャプチャーし、次に②ウインドウズ附属のアプリケーション「ペイント」(プログラム→アクセサリ→Paint)を開いて「Ctr」と「V」ボタンを押し画像を貼り付けます。これでキャプチャーした現地画像を加工できるようになります。あとは必要な場所だけ「トリミング」をするなどして印刷ボタンを押せばOKです。
かくして私の場合、最初の法律相談で依頼者から現地の場所を聞きストリートビューで現地画像を出して打合せを進めたりしています。現地の画像があると相談を受ける方もイメージをつかみやすいし、依頼者も画像を利用して正確な状況を説明しやすくなるようです。また、訴訟で必要な現地写真を証拠として提出しています(著作権法第42条1項でOK。)。 航空写真であればGoogle Earth以外にも例えばヤフー地図がありますが、地上視点の写真であればストリートビューに代わるものは今のところないように思います。