べんべんリレーBLOG
第6回 春といえば・・・
厚生委員会委員長 高坂佳郁子
春といえば桜、ですが、今年の桜は、こちらが楽しむ心づもりができていない間にさっと咲いてさっと散ってしまいました。幼い頃の記憶の中では、いつも入学式や始業式のころにちょうど満開くらいか、散りかけだったような気がしますので、随分開花が早くなったような気がします。特に今年はお花見の時期に気を揉まれた方も多かったでしょうね。
それにしても、桜の開花に関するインターネットのウェブサイトの多いこと。開花予想の算出方法にも様々なものがあるようです。世の中に絶えて桜のなかりせば・・ではありませんが、やはり、桜は日本人を悩ませる不思議な力のある花ですね。
ところで、お花見で大変なのは場所とりですが、最近は場所とりにも変化が見られるそうです。何が変わったかといいますと、職場のお花見での場所とりの責任者。以前なら若手の仕事だったはずが、最近は上司がする会社もあるそうです。日中、若手は忙しいから場所取りくらい上司が・・・という気配りだそうですが、普遍と思われていたような風物詩も時代によって変わるものなのですね。
もう一つ変わったことといえば、食べ物や飲み物の準備です。以前は、これも若手社員の役目で、重たいビールやおつまみ、お弁当などを必死に運んだわけですが、最近は何と出前が流行っているそうです。広い公園の中でも、携帯に搭載されているGPS機能を用いれば場所の特定は簡単!宅配業者が探し出して届けてくれるそうです。
さて、そのお花見のお弁当も最近は色々趣向を凝らしたものがあるようですが、やはり恒例のお弁当といえば松花堂弁当でしょう。この松花堂弁当、実は大阪に関係があったということは、皆さんご存知でしょうか。
私は最近知ったのですが、松花堂弁当は湯木貞一氏、言わずと知れたあの大阪の料亭吉兆の創始者が考案したものなのだそうです。茶道への造詣が深かった湯木氏は、江戸時代初期の石清水八幡宮の僧侶、松花堂昭乗が田の字の形に仕切った箱を茶会のたばこ盆や絵の具箱等として使っていたのに着想を得、懐石料理を盛り付けることを思いつきました。もともと、農家の人々が作物の種を小分けして入れていた箱を当世一流の文化人であった松花堂昭乗が様々な用途に転用し、それを見た湯木氏がさらに発展させたというわけで、「松花堂」という名称はこのいきさつに由来するそうです。
漆塗りの四角い器、中に十字形の仕切りを置き、色とりどりの食材を細々と盛り付ける松花堂弁当は、見た目に美しく、また味や匂い、水気などが互いの食材に移らない機能的なものです。進取の精神に富んだ大阪人らしい発想だなと思います。
外国人が見てびっくり、必ず喜ばれるという日本文化が大阪の地で作り出されたというのは、なんだか嬉しいものですね。
なお、茶道に造詣の深かった湯木氏は、晩年、コレクションした多数の茶道具を展示する湯木美術館を創設されています。本町と淀屋橋の間のあたりにあり、規模は大きくはありませんが、素晴らしい美術館です。お忙しい方もたまに息抜きに、別世界に浸りに行かれてはいかがでしょうか。お近くですのでおすすめです。
さて、桜の時期は終わってしまいましたが、本格的に植物が芽吹き、春爛漫の陽気になってきますと、少なからずわくわく気持ちが浮かれるものです。新しいことを始めよう!とやる気にはやりますが、これもゴールデンウィークまで。長いお休みが終わると、なんとなく調子の出ないという方も多いのでは?五月病は、最近は新入生、新入社員だけではなく、万人がかかるもののようです。
自分に合ったストレス発散の方法を見つけるのが一番の解決策だそうですが、それでももし、ちょっとしんどいな~と思うようなことがあれば、無理をしないこと、専門家に相談してみることも大切です。一般企業や教育機関などと同じように、協同組合にも様々な制度がありますので、組合員の方々は是非ご活用下さい。