べんべんリレーBLOG
第67回 星が好き
業務改革委員会委員 高橋映美
小さい頃から星が好きだった。
夕食を終えると,母と一緒に愛犬をつれて近くの見晴らしのいい広場に出掛けた。母が犬と散歩をしている間,わたしは広場の真ん中にごろんと寝転がって夜空を眺めた。学校でもらった星座早見表と真上の星を見比べながら,あれがオリオン座,これがカシオペア座と星座をさがす。でもすぐに星座をさがすのが面倒になって,視線は何光年も離れた星の世界に釘付けとなる。
じっと夜空だけを眺めていると,地面に背を付けている自分の方が空に落ちてしまいそうで少し怖い。むずかしい宇宙のことなんて何にもわからないけれど,美しくて不思議な星の世界に魅了されていた。
大きくなってからも,流星群があらわれるシーズンになると,都会を離れて海や山に行き,寒風に耐えて徹夜で流星ウォッチを楽しんだ。夜空を駆け抜ける一瞬のきらめきに心が躍った。
今でもたまにプラネタリウムに出掛けることがあるが,小さいころに星座早見表を面倒がったせいで,残念ながら星座はわからず仕舞いだ。東京や名古屋のプラネタリウムも素晴らしいが,個人的には大阪市立科学館のプラネタリウムがお気に入りだ。興味深いプログラムが組まれており,学芸員の方がわかりやすく解説してくれる。ただ,とても居心地がいいので,うかつに目を閉じると眠りに落ちて星もプログラムも見られなくなるので注意が必要だ。
数年前にはJAXAの筑波宇宙センターを見学した。いつか種子島宇宙センターや国立天文台にも行ってみたいと思う。
これまでは,宇宙はとても神秘的で,不可解な世界だった。しかし最近では,国際宇宙ステーションを建設したり,火星や小惑星に探査機を飛ばしたり,重力波を観測したりして,宇宙の様子が少しずつわかるようになってきた。つくづく宇宙科学技術の進歩には驚かされる。
いずれそう遠くない未来に,地球外の星に移住できるようになる日がやってくるのかもしれない。月のヘリウム3など,地球外の星に存在する新しいエネルギー源の採掘にも関心が寄せられている。
未知なる生命体との出会いもあるかもしれない。また,宇宙を知ることは,私たちのルーツ,つまり生命の起源を解明することにもつながるだろう。
宇宙から眺める地球はとても美しい星に見えるそうだ。約46億年をかけて育まれてきたこの星は自然がとても豊かで,多種多様な生物が共存している。まさに奇跡の星なのだ。ところが私たちは,地球上のいたるところで争い,自然を破壊し続けている。最先端の技術が搭載された兵器を使えば一瞬で地球を台無しにすることさえできてしまうだろう。私たちの星を奪うのは,私たち自身かもしれない。
夜空の星も好きだけど,わたしの足元にある星が一番好き。
久しぶりに寝転がって背中に大地を感じながら夜空を眺めてみようかな。
いろんなことに思いを馳せながら。