べんべんリレーBLOG
第68回 中国観光旅行2016
不動産管理委員会委員長 広瀬元太郎
2012年の尖閣諸島国有化以来、日本と中華人民共和国の政治的関係は必ずしも良いとは言えない状況です。いっぽうで、極めて多くの中国大陸からの旅行者が大阪を中心とする関西地方を訪問しているのはご存じの通りです。
観光という面では、日中間の人の行き来は全く一方通行になっています。海外ツアーの新聞広告を見ても、一昔前であれば、北京、上海やシルクロードを目的地とするツアーも結構ありましたが、今では、ほとんど見られません。
業務で中国大陸に出張される方は多いと思いますが、今、中国はどうなっているのかということを観光客の目線でお話ししましょう。
一般的にいって、中国大陸は海外旅行にかかる費用の安いエリアです。物価の上昇と円安により、欧米諸国の滞在費はびっくりするほど高くなっていますが、中国はまだまだ安いです。また、往復の飛行機代も、LCCの登場で一昔前よりずいぶんと安くなっています。私は、今年の8月に内陸部の甘粛省と青海省を訪問しました。春秋航空というLCCでは、大阪、蘭州間が片道1万数千円でした。距離は2800キロ、東京までの5倍ですが、東京までの新幹線の普通車と変わりません。LCCなので、機内食はないですが、特に椅子が狭いとも感じませんでした。機体も普通のエアバスです。LCCについては考え方もいろいろありますが、一度乗ってから判断されてはいかがでしょう。少なくとも莫大な数の中国人が、これで日本にやってきています。
次に、大気汚染の状態はどうでしょうか。正直なところ、都市部においては、日本のように晴れた日は青空が広がるということはなさそうです。全般に霞んでいます。ただ、少し前にニュースで取り上げられたように、出歩くだけで危険というようなことはないのではないかと思います。ニュースというものは、極端な事案がとりあげられるのであって、それが本当に日常的なものであるかについては、冷静な判断が必要です。
中国の町並みはどんな感じでしょうか。インフラの発展スピードは、それこそ度肝を抜かれます。片側4車線以上の高速道路が街をむすび、ピカピカの巨大地方空港(どこも似ていますが)が開港しています。日本でいうところのタワーマンションが、日本よりもせまい間隔で林立しています。かなり空室も多いようですが、さらに建設がすすんでいます。また、日本のものとよく似た新幹線が国内の重要都市を結んでいます。いまや、中国の西の端のウルムチという町から、南の広州、北のハルピンまで新幹線はつながっているのです。
中国の新幹線は、何年か前の事故とその後の処理で、日本では怪しげなものと見られていますが、あれ以降は安全にやっているようです。私も乗ってみましたが、結構徐行区間も多く、安全には気を遣っているように思えました。運賃は大変安く、東京、名古屋間の距離が1000円位です。
久しぶりに中国に観光旅行をしましたが、しばらく日本人が行っていない間に、中国は(方向性はともかくとして)、さらなる成長を続けています。好きであろうと、嫌いであろうと、地政学的な位置関係からして、確実に大きな影響を日本に与える国です。お金はかかりません。一度、見に行かれてはいかがでしょう。
以上