べんべんリレーBLOG
第71回 弁護士5年目の節目
厚生委員会委員 中村諒子
早いもので、今年の12月で私が弁護士登録してから丸5年を迎えます。
私事となりますが、その記念すべき?12月に、第1子を出産する予定です。
今思い返せば、私はずっと実家暮らしで、弁護士登録してからも家事は完全に母親任せ、慣れない仕事に毎日悪戦苦闘しながらも、友人たちと飲みにいったり、たまに旅行に行ったりと、自分の時間を満喫していました。
そんな私も、昨年結婚し、和光での修習生活を除けば、生まれて初めて実家を出て生活することになりました。
弁護士になって3年以上経ってはいたものの、相変わらず仕事は分からないことだらけで毎日が必死ですし、これまで母親任せにしてきた家事は全くといっていいほどできなかったので(野菜の保存方法や掃除の仕方をいちいちインターネットで検索するレベルでした。)、仕事と家事の両立といった壁にぶちあたり、新婚生活が始まって数か月はとてもストレスフルでした。
幸い、主人が家事に対して細かいこだわりはなく、積極的に手伝ってくれる人なので、ダメ主婦ながらも何とか生活を軌道に乗せることができました。
結婚式や新婚旅行といった大きなイベントも無事終え、穏やかに過ごしていた頃、私の妊娠がわかりました。主人も私も「いつかは子どもを」と望んでいたので、大変嬉しかったです。
妊娠発覚後は、悪阻をはじめ、めまぐるしく変化する体調についていけず、やはり仕事や家事にしわ寄せがいってしまいました。
以前のようなペースで仕事ができず、家事もサボってばかりで自己嫌悪になることもありましたし、弁護士としてのキャリアが5年弱と短い私が長期間の休みを取ることへの不安も尽きませんでした。それでも、家族をはじめ、周囲の方々が温かく見守ってくれたため、何とか出産間際までこぎつけることができました。このブログが掲載される頃には、無事、産前休暇に入っていることと思います。
出産後は初めての育児が始まります。例にもれず、私も慣れない育児にあたふたするでしょう。もちろん仕事には復帰予定ですが、今度は、仕事、育児、家事の両立といった壁にぶち当たり、結婚当初とは比較できないくらい忙しくなるでしょう。
出産する前からこんなことを言うのは意識が低いと思われるかもしれませんが、仕事をしながら育児、家事をすべて自分で完璧にする、ということはとても難しいことで、そこにこだわっていては身が持たないと思います。何かしらの形でアウトソーシングしていくことが必要だと考えています。
私が所属している厚生委員会では、2年ほど前からベビーシッターを扱う業者との提携の検討を進めてきました。現在、3社が大阪弁護士協同組合と提携しています。
病児保育に特化する業者や、ベビーシッターだけでなく家事代行もお願いできる業者など、各々特色があります。
ベビーシッター業者と提携に向けて検討をしている間、育児に無縁であった私は、実際に育児をしている人が本当に必要としているサービスは何なのか、漠然とさえもわからない状態でした。「保育園に預けていれば十分じゃないの?」などと思っていたくらいです。
昨今、待機児童問題が耳目を集めていますが、実際に調べてみると、保育園に入園するだけでも様々な条件や手続きが必要で、自分の希望する保育園に入れることは本当に大変なのだと感じています。子どもの生まれる月によって、入園時期が1年ほど違ってくることも珍しくありません。希望する時期での保育園への入園がかなわなくても仕事に復帰する場合、仕事中に子どものお世話をしてくれる方を確保しておくことは必須です。
また、無事に保育園への入園が決まったとしても、子どもが熱を出したり、怪我をしてしまったりすれば保護者が対応しなくてはなりません。共働きの世帯や、両親、義両親が遠方に居住しているなどという事情がある場合、急な事態が発生した場合に柔軟に対応することは難しいでしょう。
このようなときに頼れるベビーシッターがいれば、大分肩の荷が下りるのではないでしょうか。
現在、大阪弁護士協同組合が提携している業者では、現在でも様々な特色あるサービスを提供していますが、実際にサービスを利用した方や育児をされている方の声を取り入れながら、さらに充実した制度にして、利用する方を増やしていきたいところです。
そして、私も育児の現場の声を届けられるように成長して、厚生委員会に戻ってきたいと思います。